会長メッセージ

近年、感染症・化学療法を取り巻く環境は、大きく変貌しています。次々と発表される各種ガイドラインでも“抗菌薬の適正使用”が強く訴えられ、耐性菌問題も現実の治療効果に甚大な影響を与えていることは明白な事実です。そこで臨床分離株の薬剤感受性や耐性菌動向をモニターする重要度は高まる一方ですが、残念ながらわが国では中立的なサーベイランス・システムがまだ十分に機能しているとはいえないのが現状です。

このような観点から、私どもは平成16年12月に全国ネットワークを基盤とした「薬剤感受性サーベイランス研究会」を設立いたしました。本研究会は全国規模での感受性サーベイランスを経年的に実施し、日本を代表する疫学データ作成を目指すと共に、将来の耐性菌抑制に寄与することを目的としています。

本研究会の特徴は、下記の通りです。

  • 一般公募と会員紹介により、全国規模での草の根的な菌株収集ネットワーク作りを目指す。
  • 基幹病院のみならず、市中病院、プライマリケア、小児科領域の感受性測定を重点目標とする。
  • 専属スタッフを擁する独自の研究所を有し、感受性測定、耐性菌解析を行う。
  • 多数施設による全国ネットワークの形成により、1施設当たりの収集菌株数を少なくし、労力の低負担化を図る。
  • 運営資金は、個人会費ならびに製薬会社からの賛助会費と協賛金にて充当する。
  • 収集菌株は本研究会が一括保存し、その後は会員共有の研究対象菌株とする。
  • 企画・運営は、会員である感染専門医、一般臨床医、臨床検査技師、基礎研究者、製薬会社の研究者が、それぞれ対等の立場で協同参画する。
  • 1施設からの会員数に制限はないが、施設代表者を1名置く。また会員の中で菌株収集など実務担当をする臨床検査技師の方は、入会金、年会費の支払いは不要である。
  • 論文執筆、学会発表、新規企画について希望する会員は、幹事会に申請し承認を受ける。
  • 会員数が多いため、論文、学会発表における「共同研究者」は、実際的にその研究に関与した会員名のみを掲載する。将来的には、全会員名を記載した「会報」の発行を考えたい。
  • 会員間の意見交換と情報伝達は、研究会専用のメーリングリストを通じて行う。
  • 発表後の研究データは、研究会HPにて一般に広く公開する。
  • 菌株送付施設には、施設菌株の感受性成績を報告する。
  • 会員は研究会のすべてのデータを、任意に利用することが出来る。
  • 将来的には、解析データから派生する新たな問題点について、会員間で分科会的な新プロジェクトを立ち上げ解決を目指す。

本研究会の活動はまだ緒に就いたばかりでありますが、今後、新たに発信した感染症情報を、全国の診療現場で役立ていただければこの上ない喜びです。

熱意ある皆様のご参加を、お待ちしています。

平成17年8月1日
薬剤感受性サーベイランス研究会 会長
中浜医院・大阪大学微生物病研究所
中浜 力

 

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