プレスリリース 2008年02月19日
レバクーゼン、2008年2月18日 ― ネクサバール(ソラフェニブ/sorafenib)錠の非小細胞肺癌を対象とした海外第Ⅲ相臨床試験の中間解析の結果、主要評価項目である全生存期間の延長を満たさなかったと効果安全性委員会(DMC:Data Management Committee)が結論づけたことを受け、バイエル ヘルスケア・ファーマシューティカル社とオニキス・ファーマシューティカル社は、本日、同試験を中止すると発表した。この海外第Ⅲ相臨床試験ESCAPE(Evaluation of Sorafenib, Carboplatin And Paclitaxel Efficacyin NSCLC)は、非小細胞肺癌の患者を対象として、カルボプラチンとパクリタキセルとネクサバールの三剤併用療法を評価したものである。安全性に関しては、これまで報告されたものと概ね同等であるが、肺扁平上皮癌の患者サブグループにおいて、カルボプラチン・パクリタキセル併用群と比較して、ソラフェニブ・カルボプラチン・パクリタキセル三剤併用群では、生存期間が短いことが観察された。
バイエルとオニキスの両社は、規制当局および、ネクサバールの治験参加医師に対して、この効果安全性委員会の勧告に関する情報提供を行っている。更に両社は、この解析結果と効果安全性委員会による勧告の内容を再調査し、実施中の他の肺癌を対象とした治験にどのような影響があるか検討する予定である。また、本試験結果は、今後開催予定の学術会議で発表される予定である。
「今回は残念な結果となりましたが、バイエルとオニキスは、引き続き、様々ながん種にわたるネクサバールの臨床試験に注力してまいります。ネクサバールは、肝細胞癌と進行性腎細胞癌の患者さんを対象としたクリニカルベネフィットが確認されており、我々は、その他の様々ながんに対しても、ネクサバールの可能性を探究し続けます」とバイエル ヘルスケア・ファーマシューティカル社、オンコロジー事業部副責任者、スーザン・ケリー.MD は述べている。
ESCAPE(Evaluation of Sorafenib, Carboplatin And Paclitaxel Efficacy in NSCLC)試験について
第Ⅲ相臨床試験ESCAPE(Evaluation of Sorafenib, Carboplatin And Paclitaxel Efficacy in NSCLC)は、北南米、欧州、アジア太平洋地区の900名以上の非小細胞癌患者を対象として、140以上の医療施設で行われた多施設無作為化二重盲検プラセボ比較試験である。この試験の主要評価項目は全生存期間であり、副次評価項目は無増悪生存期間、奏効率、患者の生活の質(QOL)、安全性である。本試験は、肺癌に対する全身化学療法による治療歴がない患者を対象として行われ、扁平上皮肺癌や肺腺癌を含む、非小細胞肺癌の全ての組織型(細胞種)を持つ患者が登録対象であった。
本試験では、患者を無作為に二群に割り付け、一方の群にはカルボプラチンとパクリタキセルの二剤による最長6サイクルの化学療法に加えネクサバール(400mg)錠を1日2回、もう一方の群ではプラセボ(偽薬)を追加投与した。その後、腫瘍の進行あるいは忍容性の問題で使用が中止されるまで、ネクサバールかプラセボの単剤投与による継続維持療法を行った。
非小細胞肺癌治療を目的とした、包括的臨床試験プログラムについて
バイエルとオニキスは、非小細胞癌治療を目的として、さまざまな患者集団を対象として、ネクサバールと他の抗がん療法との併用療法を評価する包括的な臨床試験プログラムを行っている。このプログラムには、前治療歴のない患者を対象として、欧州で標準的に使われている化学療法剤ゲムシタビンとシスプラチンの併用レジメンに、ネクサバールを併用する第Ⅲ相臨床試験NexUS(NSCLC research Experience Utilizing Sorafenib)が含まれている。2種類以上の治療レジメンで治療効果が見られなかった患者を対象とした米国の共同研究グループによる第Ⅱ相臨床試験も、患者の登録を完了している。また、1種類の治療レジメンによる治療を受けたにも関わらず、病状の進行が見られた患者を対象として、複数の第Ⅱ相臨床試験が行われている。
ネクサバールに特徴的な作用機序
ネクサバールは、腫瘍細胞増殖と腫瘍血管新生の両者を抑制する。非臨床試験において、ネクサバールは細胞分裂と血管新生のそれぞれに関与する2種類のキナーゼ群に作用することが分かった。これらキナーゼには、Rafキナーゼ、VEGFR-2、VEGFR-3、PDGFR-β、KIT、FLT-3、RETなどが含まれる。
現在ネクサバールは、肝癌に対して30カ国以上、また進行性腎細胞癌に対して米国、欧州連合諸国をはじめとして60カ国以上で承認されている。ネクサバールは欧州では、インターフェロン・アルファあるいはインターロイキン2による治療が無効であるか、医師がこれらサイトカイン治療に不適当と認めた進行性腎細胞癌に対して、承認されている。ネクサバールに関する治験では、複数の企業、国際治験グループ、政府機関、医師主導により、さまざまながんを対象として、単剤または幅広い種類の抗がん剤との併用が検討されている。その中には、転移性メラノーマ、乳癌の治療、及び、腎細胞癌、肝細胞癌のアジュバント療法が含まれている。
バイエル薬品株式会社
2008年2月19日、大阪
Bayer Yakuhin, Ltd./Communications
この件に関するお問い合わせ先:
バイエル薬品株式会社 広報本部
島崎、三浦 (Tel: 06-6398-1036, Fax: 06-6398-1033, 島崎携帯: 090-4030-8227)