遺伝子組換え型血液凝固第Ⅷ因子製剤の定期補充療法が
小児血友病Aにおける関節障害を予防
画期的な研究論文が2007年8月9日発行のニューイングランドジャーナル・オブ・メディシンに掲載

2007年8月9日発行のニューイングランドジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)に画期的な研究論文が発表された。その報告によると、血友病A患者さんに遺伝子組換え型血液凝固第Ⅷ因子製剤を定期的に注射する「定期補充療法」が、乳幼児期の関節内出血による関節障害の進行抑制に有効であることがわかった。これは、重症型血友病Aの小児を対象に、遺伝子組換え型第Ⅷ因子製剤の定期補充療法1と出血時補充療法2を比較した、世界初で唯一の無作為化前方視的試験。本試験において、6歳の時点で関節が正常な血友病A小児の割合は、出血時補充療法群では55%のみであったのに対し、定期補充療法群では93%であった。

この「ジョイント・アウトカム試験」と呼ばれる5年間の臨床試験は、全米15ヶ所の学術機関および主要医療施設が参加し、米国疾病管理予防センター(the Centers for Disease Control and Prevention)と米国国立衛生研究所(the National Institutes of Health)との共同で行われた。

関節内出血を繰り返すことによって生じる関節障害は、しばしば血友病性関節症と呼ばれ、血友病Aの合併症のうち最も苦痛を伴い治療費用のかかるものの一つである。長期の炎症と関節の損傷は、最終的に運動機能の喪失につながる。しかしながら、これまでの後方視的な臨床試験によって、小児患者が慢性的な関節障害を起こす前に、第Ⅷ因子製剤の定期的な注射を行うことで、血友病性関節症を軽減できるかもしれないことが示唆されてきた。今回NEJMに発表された無作為化比較臨床試験の結果は、定期補充療法と出血時補充療法による関節症状の転帰を比較することで、今までで最も説得力のあるエビデンスとなった。