“隠れ高脂血症”2,300万人超の現状と
自覚症状なしに起こる動脈硬化の怖さ

帝京大学内科主任教授寺本民生氏(日本動脈硬化学会動脈硬化診療・疫学委員会委員長)による「"隠れ高脂血症"2,300万人超の現状と自覚症状なしに起こる動脈硬化の怖さ」と題したセミナーが2007年3月27日東京で開催された。

心筋梗塞や脳血管疾患などの動脈硬化性疾患による死亡は、日本における主な死因の25%を占めるにいたっている。この動脈硬化性疾患の進展に脂質とくにコレステロールが深く関わっていることは多くのエビデンスで示されてきている。さらに、近年日本人の脂質摂取量は年々増加しており、日本人の1日のコレステロール摂取量は米国人のそれを上回っている。特に、若年層の摂取量の高さは顕著である。

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このような背景に加え、脂質と心血管系疾患に関する疫学的研究や治療成績に関する日本人のエビデンスが蓄積されてきており、これらの情報を参考に「動脈硬化性疾患診療ガイドライン」が5年ぶりに改訂され2007年版として本年2月4日に発表されている。主な変更点は表の通りである。

昨年12月に実施された高脂血症診療に対する医師の意識調査によれば、90%以上の医師が、診療実感として、今後、脳・心血管系疾患は増加するであろうと予測し、同じく90%以上の医師が、高コレステロール血症を脳・心血管疾患リスク因子として重要と認識している。 その一方で、70%の医師がハイリスク患者の現在の治療達成度は50%未満と回答している。

血清コレステロール値はコレステロール吸収量と合成量でコントロールされているが、コレステロール吸収が高いとLDL-コレステロール値が同等であっても脳・心血管系疾患のリスクが高いという成績が昨年発表された。今後、コレステロールの合成抑制と吸収抑制の両面から治療を考えることが重要であり、今後の治療選択肢の広がりに期待したい。