近年、仮面高血圧や早朝高血圧などが心血管病の大きなリスクとして注目され、家庭血圧測定の重要性が高まっている。西宮氏は一般医家における家庭血圧測定の実態を調査した成績を報告、いまだ家庭血圧測定の普及率が低い現状を明らかにし、家庭血圧を組み込んだ診療の必要性を啓発する必要があると述べた。
家庭血圧測定の普及率は42%
白衣高血圧や仮面高血圧、早朝高血圧などを把握する手段として、家庭血圧の重要性が指摘されているが、実地診療の場でどの程度、家庭血圧の測定が行われ、診療に反映されているかは不明である。西宮氏らはこれらを明らかにする目的で、旭川市医師会会員を対象に家庭血圧測定に関する調査を実施した。
高血圧治療ガイドライン2004(JSH2004)の発表される以前の2004年2月、同医師会会員全員(160人)にアンケート調査を行い、同意の得られた会員143人に詳細な調査票を送付、回答を得た。なおこの調査に応じた医師143人の登録患者は25,376人であった。
アンケートの結果、家庭血圧の測定を指示していると回答したのは42%で、測定の目的として回答が多かったのは「処方中の降圧薬の効果の把握」(72.0%)、「モーニングサージの診断」(66.4%)、「白衣高血圧の鑑別」(64.3%)、「仮面高血圧の診断」(45.5%)であった。
家庭血圧の降圧目標値については135/85mmHg未満としたものが39.9%と最も多かったが、130/80mmHg未満、140/90mmHg未満とする回答もそれぞれ33.6%、16.1%と比較的高頻度であった。望ましい血圧測定の回数については「1日2回」とするものが74.8%と最も多く、測定時期は就寝前(61.5%)、起床直後(50.3%)、あるいは朝食前(45.5%)を指導する医師が多かった。
主な処方薬は長時間作用型Ca拮抗薬とARB
降圧薬の選択にあたって最重要視する点については、血圧コントロールおよび臓器保護作用(65.7%)が最も多く、次いで早朝を含む24時間にわたる血圧コントロール(28.7%)であり、24時間にわたって安定した降圧の得られる薬剤としては、77.6%が長時間作用型カルシウム(Ca)拮抗薬を挙げた。
全体の約40%が単剤で治療されていたが、それらの患者に対して投与されている薬剤としては、Ca拮抗薬が63.9%と最も高く、ついでアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)が29.9%であった。併用療法においてもこの2種類が多用されていた。
西宮氏は、降圧薬の使用状況に関してはJSH2004の指針とほぼ一致するものの、一般医家における家庭血圧測定の普及率においてはJSH2004発表前の調査であることを考慮してもまだまだ低いことを指摘し、今後、その重要性の認識を高めるべく積極的な啓発活動の必要性を強調した。