臨床ポスター:「臨床試験」

血圧i手帳―携帯電話を利用した家庭血圧モニタリングシステムによるアムロジピンとニフェジピンCRの降圧度比較クロスオーバー試験

ニフェジピンCRの降圧効果がアムロジピンより勝る

川崎市立井田病院内科 竜崎崇和氏

血圧i手帳は、携帯電話を利用した新しい家庭血圧モニタリングシステムである。血圧計と携帯電話をつなぎボタンを一回押すだけで、血圧や脈拍のデータが自動送信できることから、患者の誤入力や測定コンプライアンスも改善でき、より正確な家庭血圧が得られるという利点がある。竜崎氏らはこのシステムを用いて、家庭血圧を測定し、1日1回型ニフェジピン製剤(ニフェジピンCR)とアムロジピンの降圧効果を比較した結果、「ニフェジピンCRのほうが降圧効果に優れる」と報告した。

家庭血圧135/85mmHg以下を目標とし、両剤の降圧効果をクロスオーバー法で比較

対象は、アムロジピンおよびニフェジピンCR以外の他のCa拮抗薬を服用している患者を除いた高血圧患者41例。これらを2群に分け、クロスオーバー法にてニフェジピンCRあるいはアムロジピンを投与し、家庭血圧135/85mmHg以下を目標に治療後、朝起床後1時間以内と就寝前の血圧値をi手帳を用いて収集するというもの。

第1群は、すでにアムロジピンを服用している患者あるいは服用していなかった場合は、アムロジピン2.5mg/日 1日1回朝投与から開始し、降圧目標値に達しない場合は、5〜7.5mg/日に増量、さらに降圧が不十分な場合はβ遮断薬を併用した。血圧安定後、i手帳にて6週間以上の血圧値を収集したのち、ニフェジピンCR 1日1回朝投与に変更し、さらに6〜12週間の血圧測定を行った。

一方、第2群(13例)は、すでにニフェジピンCRを服用している患者あるいは降圧薬を服用していない場合は、ニフェジピンCR 20mg/日 1日1回朝投与から開始し、以下第1群と同様の方法にて治療を行った後、アムロジピン1日1回朝投与に変更した。

薬剤変更時の用量については、先に投与した薬剤の最終投与量に応じ、各薬剤の用法用量から、ニフェジピンCR20mg=アムロジピン2.5mg、ニフェジピンCR40mg=アムロジピン5mg、ニフェジピンCR60mg=アムロジピン7.5mgと想定し、それぞれの投与量を決定した。

ニフェジピンCRで朝の家庭血圧が有意に低下

その結果、就寝前の家庭血圧の平均値は両群同等だったが、朝の家庭血圧はニフェジピンCRが130.9/79.9mmHgと、アムロジピンの133.3/81.1mmHgより有意に低かった(p<0.05)。また降圧目標達成率も就寝前では両群同等だったが、朝においてはニフェジピンCRが63.4%と アムロジピンの48.8%を有意に上回っていた(p<0.05)。

これらの結果から竜崎氏らは、今回の検討で設定した交換用量においては、ニフェジピンCRの降圧効果の方がアムロジピンより優れ、予後と強く相関すると言われる朝の血圧上昇抑制の点で有用であると結論づけた。