厳格な降圧目標を達成するには、QOL向上や副作用防止の観点から、単剤療法よりも作用機序が異なる薬剤の併用療法が推奨されている。しかし、投与時刻の異なる併用療法が早朝高血圧に及ぼす影響については、十分な検討がなされていない。宮川氏は、早朝高血圧の抑制を目的に、1日1回型ニフェジピンCR錠(ニフェジピンCR)とアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の適切な併用法について検討するために、両薬剤の投与時刻を変更した3種類の投与法の降圧効果を、家庭血圧値を解析することで評価した。
投与時刻の異なる3群に無作為に割り付け、クロスオーバー法で治療
対象は、ニフェジピンとARBの併用療法によって外来随時血圧がコントロールされている高血圧症例40例(男性15例、女性25例、平均年齢67.8±9.6歳)。これらの症例をニフェジピンCR朝/ARB夜投与群、ARB朝/ニフェジピンCR夜投与群、ニフェジピンCR朝/ARB朝投与群の3群に無作為に割り付け、クロスオーバー法によりそれぞれ10週間治療した。服薬は、朝は朝食後、夜は就寝前とし、原則として治療中の用量は変更しないこととした。なお、外来血圧は参考値として用いた。
前治療の影響を考慮し、各投与法開始後2週間の家庭血圧値は解析対象から除外、残り8週間の測定値を評価の対象とした。各治療期における血圧値、脈拍数、および各治療期の血圧管理区分(管理良好、早期高血圧、外来高血圧、持続高血圧)の分布率について評価を行った。
ARB朝/ニフェジピン夜投与法は早朝高血圧の抑制に最も効果的
いずれの投与法でも、起床後および就寝前の血圧を降圧目標の135/80mmHg前後にコントロール可能であった。特に、ARB朝/ニフェジピン夜投与群の起床後血圧は127/74mmHgであり、標準的投与法であるARB朝/ニフェジピン朝同時投与群に比べ有意に低値であった(p<0.01)。なお、ARB朝/ニフェジピン夜投与群の起床後の脈拍数(68拍/分)は他の投与法に比べてやや増加していたが、この値は外来測定値に比し有意に低く(p<0.01)、かつ就寝前の脈拍数と同等であったことから、正常範囲内の変動と考えられた。
早朝収縮期血圧と外来収縮期血圧との関係から血圧管理状況を検討したところ、ARB朝/ニフェジピン夜投与群において管理良好例が67%と最も多く、また早朝高血圧例が21%と最も少なかった。さらに、他の投与法からARB朝/ニフェジピンCR夜投与に変更することにより、血圧管理の有意な改善効果が認められた(p<0.05)。
なお、ニフェジピンCR夜投与により軽度な夜間多尿が3例にみられたが、いずれも前立腺肥大の傾向がある男性例であり、治療中止に至るほどではなかった。
以上の結果により宮川氏は「早朝高血圧を確実に抑制するには、ARB朝/ニフェジピンCR夜投与の併用療法が最も効果的であり、早朝高血圧を含む仮面高血圧にも十分に対応可能と考える。睡眠中の過度の降圧の有無については、24時間血圧測定法による検討が必要」と結論した上で、「今後は、より大規模な他施設共同試験を実施したい」とこれからの展望を述べた。
編集注:TIMING STUDY: Treatment Pattern In the Morning or In the Night for Good Morning Blood Pressure Control STUDY