早朝高血圧は、脳心血管障害の発症に深く関わるとして、その危険性が指摘されている。この早朝高血圧を抑制するために現在広く行われているのは、α遮断薬を中心とした降圧薬の就寝前投与だが、安藤氏らは、カルシウム(Ca)拮抗薬であるニフェジピン徐放錠(ニフェジピンCR)が2峰性の作用ピークをもつことに注目し、同剤の就寝前投与による早朝高血圧抑制効果をα遮断薬のドキサゾシンと比較検討するクロスオーバー試験を行った。そして、ニフェジピンCRの就寝前投与が早朝高血圧の抑制に効果的であることを示唆する結果を得た。
ニフェジピンCRがドキサゾシンに比べ有意な早朝血圧低下効果示す
対象は、収縮期血圧が140mmHgを超える高血圧患者のうち、24時間血圧測定で、翌朝起床後の収縮期血圧が就寝前血圧より20mmHg以上上昇していることが確認された10例(平均(60.9歳、男性5例、女性5例)である。
検討は、登録日が偶数か奇数かによりドキサゾシン1mg/日就寝前投与とニフェジピンCR20mg/日就寝前投与を、4週間ずつ交互に行うクロスオーバー法で行われた。7例にはドキサゾシン4週間投与後にニフェジピンCR4週間投与を行い、残りの3例には逆にニフェジピン4週間投与後にドキサゾシン4週間投与を行った。両剤とも、十分な効果が得られない患者には増量を行い、最終投与量の内訳は、ドキサゾシンが1mg/日7例、2mg/日3例、ニフェジピンCRが20mg/日7例、40mg/日2例だった。1例はニフェジピンCR投与時に動悸を感じたため投与を中止した。
その結果、早朝血圧(6時半〜9時)はドキサゾシン、ニフェジピンCRともに有意な低下を示したが、ニフェジピンCRによる翌朝5〜9時までの血圧低下は、コントロールおよびドキサゾシン投与に比べても有意なものだった。日中血圧(6時半〜22時)に関しては、両剤とも有意な収縮期血圧低下を示したが、ニフェジピンCRでは収縮期だけでなく拡張期血圧もコントロールに比べ有意に低下していた。ドキサゾシン、ニフェジピンCRともに夜間血圧(22時〜6時)への影響はみられなかった。一方、夜間および全日の心拍数はドキサゾシン投与に比べニフェジピンCR投与で有意に低かった。
交感神経系の賦活化は認められず
以上より安藤氏らは、ニフェジピンCRは、夜間血圧を低下させずに早朝高血圧を有意に抑制し、その効果は今回使用した投与量のドキサゾシンより大きなものであったと述べるとともに、ニフェジピンCRはコントロール群と比較しても心拍数を増加しなかったことから、交感神経系の賦活化は生じていないと考えられると総括した。
これらの結果から、有核2層構造で2峰性の作用ピークを有するニフェジピンCRは、就寝前に服薬して早朝に第2の作用ピークをもってくることで、起床前から起床後にかけての早朝高血圧を効果的に抑制しうる薬剤であると考えられる。