Poster Session

Home and Office Blood Pressure Control among Elderly Hypertensive Patients without Calcium Channel Blockers Before and After JSH2004

Ca拮抗薬を使用していない高齢高血圧症患者のJSH2004前後での家庭・外来血圧の変化状況

東北大学大学院薬学研究科臨床薬学
小原 拓
Ca拮抗薬不使用高齢高血圧に対する影響を検証

2003年のJ-HOME試験により、プライマリケアにおける降圧治療ではCa拮抗薬の使用頻度が最も高く、高齢患者(60歳以上)ほど高くなることが示されている。しかし、何らかの理由でCa拮抗薬を使用していない症例の血圧コントロール状況の解析は、十分には行われていない。また、JSH2004ガイドラインでは、65歳以上の高齢者全年齢層の降圧目標値として最終的には同じ降圧レベル(<140/90mmHg)を推奨しているが、その影響については明らかにされていない。

そこで、小原氏らは、Ca拮抗薬を使用していない高齢高血圧症患者の家庭血圧および外来血圧のコントロール状況が、JSH2004の前後でどう変化したかを検証するための検討を行い、その結果として浮き彫りとなった現況を報告した。

Ca拮抗薬を用いたより積極的な降圧治療が必要

JSH2004以前の血圧のコントロール状況は、2003年に実施されたJ-HOME試験のCa拮抗薬不使用高齢高血圧症患者のサブグループについて評価した。JSH2004以後については、Ca拮抗薬不使用高齢高血圧症患者を対象に、2005年に開始されたJ-HOME Elderly試験のデータを解析した。

J-HOMEに登録された3,400例のうち、Ca拮抗薬不使用の60歳以上の高血圧症患者は710例であり、J-HOME Elderlyには2005年12月31日までに950例が登録された。外来血圧は来院時ごとに2回測定し、家庭血圧測定前後の2回の来院時の計4回の測定値の平均値とした。家庭血圧は毎朝起床後1時間以内の服薬前に測定し、2週間の平均値とした。外来血圧<140/90mmHg、家庭血圧<135/85mmHgをコントロール良好、外来血圧≥140/90mmHgかつ家庭血圧≥135/85mmHgをコントロール不良、外来血圧≥140/90mmHgかつ家庭血圧<135/85mmHgを外来血圧不良、外来血圧<140/90 mmHgかつ家庭血圧≥135/85mmHgを家庭血圧不良と判定した。

その結果、コントロール良好症例の割合は、JSH2004以前の23%から以後は34%に上昇、一方、コントロール不良の割合は、43%から26%に低下していた。また、外来血圧不良の割合は16%から17%、家庭血圧不良の割合は20%から24%とわずかな上昇であった。使用降圧薬の内訳では、JSH2004前後ともに、ARBの使用が最も多く、JSH2004前後では63%から76%に増加していた。また、利尿薬はJSH2004以前の13%から、以後は22%に増加していた。

小原氏は「JSH2004ガイドライン以降、血圧のコントロール状況は改善されたが、いまだ十分とはいえない状況が浮き彫りとなった。Ca拮抗薬は日本で最も標準的な降圧薬である。血圧コントロールが不十分な高齢高血圧症患者に対しては、Ca拮抗薬を用いたより積極的な降圧治療が必要と考えられる」と結論した。なお、J-HOME Elderlyは現在、進行中である。