Poster Session

Nifedipine Inhibits Induction of de-Differentiation of Vascular Smooth Muscle Cell in the Injured Rat Carotid Artery

ニフェジピンがラット頸動脈傷害後の血管平滑筋細胞の脱分化誘導を抑制

大阪大学大学院医学系研究科老年・腎臓内科学
安田 修

Ca 拮抗薬は高血圧患者における動脈硬化の進展を抑制し、脳・心血管イベントを減少させることが実証されている。一方、血管平滑筋細胞(VSMC)の脱分化は、血管形成術後にみられる動脈硬化や新生内膜肥厚の発生・促進に関わることが指摘されている。

今回、安田氏らは、ラットを用いたin vivo の研究で、Ca拮抗薬ニフェジピンが傷害動脈におけるVSMC の脱分化誘導に変化を与えるかどうかを検討した結果、「ニフェジピンは傷害動脈におけるVSMCの脱分化誘導を抑制すると考えられた」と報告した。

ラット傷害頸動脈の新生内膜肥厚を有意に抑制

In vivo の検討では、ニフェジピン0.3mg/kg/日を経口投与したラットと非投与(コントロール)のラットにおいて、バルーン法で頸動脈に傷害を与え、2週間後の新生内膜肥厚、分化マーカーであるα-アクチンとSM2、脱分化マーカーであるSMemb、および血小板由来増殖因子(PDGF)を比較した。一方、in vitroの検討は、ヒト大動脈のVSMC をシャーレで培養して行った。

その結果、 in vivoの検討では、ニフェジピン投与がラット頸動脈傷害後の新生内膜肥厚を有意(p<0.01)に抑制することが示された。

新生内膜でのVSMC の形質転換を抑制

また、ニフェジピン投与ラットの新生内膜では、脱分化マーカーであるSMemb陽性のVSMCが有意に減少(p<0.05)し、分化マーカーであるSM2陽性のVSMCが増加(p<0.05)していたことから、ニフェジピンが新生内膜におけるVSMC の形質変換を抑制することが判明した。さらに、ニフェジピンは新生内膜におけるPDGF の発現を抑え、同因子により誘導される形質転換も抑制していた。

in vitroでの検討においても、ニフェジピンが脱分化誘導によるVSMCの形質変換を抑制することが示された。

以上の結果から、安田氏らは「ニフェジピンは傷害動脈におけるVSMCの脱分化誘導を抑制すると考えられる」と結論づけた。