Poster Session

The Combination Therapy of Angiotensin II Receptor Blocker, Calcium Channel Blocker and β Blocker is Important to Control Blood Pressure in Patients with Chronic Phase of Aortic Dissection and Aneurysm

慢性期の大動脈解離、大動脈瘤の血圧コントロールにおいて、Ca拮抗薬+アンジオテンシンII受容体拮抗薬+β遮断薬併用療法の重要性を確認

東北公済病院内科
山岸 俊夫

動脈瘤が破綻した場合の死亡率はいまだに高く、降圧薬の併用療法による厳格な血圧コントロールを要することが多い。山岸氏らは、慢性期の大動脈解離および大動脈瘤の血圧コントロールにおいては、Ca拮抗薬(CCB)、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、β遮断薬の3剤併用療法が良好な長期的転帰をもたらすことを明らかにした。

降圧療法により、退院1年後の血圧値やPWVが有意に改善

2003〜04年に、手術を含む治療ののち1年以上生存した急性大動脈解離および慢性大動脈瘤の症例について検討を行った。降圧薬併用療法の有効性の指標として、朝の家庭血圧、家庭脈拍数、脈波伝搬速度(PWV)および臨床的な代替エンドポイントとして、ホルモン因子についてレトロスペクティブな評価を行った。

対象は、急性大動脈解離34例、慢性大動脈瘤48例。平均年齢はそれぞれ66.9、71.9 歳、平均BMI は23.1、23.0kg/m2、最大大動脈径は43.9、49.6mm。入院時の収縮期血圧(SBP)/拡張期血圧(DBP)は、それぞれ157.9/92.9mmHg および145.3/85.1mmHg であった。

退院1年後、家庭SBP/DBP は、それぞれ122.1/72.9および122.6/72.4mmHgと入院時に比べ有意に低下していた(p<0.0001)。降圧薬の使用頻度は両疾患群ともCCBが最も高く、次いでARBであった。その他の降圧薬としてはβ遮断薬、α遮断薬、ACE 阻害薬、利尿薬が用いられていた。また、脈拍数、PWVについても、入院時に比べ退院1年後に有意に低下していた。

CCB+ARB+β遮断薬併用療法が家庭血圧、脈拍数、PWVを有意に改善

大動脈解離例では大動脈瘤例に比べ、入院時のSBPが高かった。また、使用された降圧薬の種類も有意に多く、特にCCB、ARB、β遮断薬の使用頻度が有意に高かった。

さらにCCB+ARB+β遮断薬の3剤併用療法例についてみたところ、その他の降圧薬療法に比べ家庭血圧および脈拍数が有意に低下していた。また、3剤併用療法は、PWV、脳由来ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、アルドステロンエスケープの上昇も抑制していた。

以上により、山岸氏は「CCB+ARB+β遮断薬の3剤併用療法は、慢性期の大動脈解離および大動脈瘤例の長期的な血圧コントロールにおいて、重要な治療法であることが明らかとなった」と結論した。