Breakfast Topical Workshop
Hypertension in the Elderly
Hypertension in the Elderly: Protection of the Brain
高齢高血圧患者の脳卒中予防における降圧療法の重要性
- University of Leuven, Belgium
- Jan A. Stassen 氏
高血圧は脳卒中の重大なリスクファクターであり、中でも収縮期血圧(SBP)は脳卒中の発症・死亡リスクと非常に強い相関をもち、いずれの年齢層においてもSBPの上昇に比例して脳卒中リスクが増大することが報告されている。特に高齢者におけるSBPの影響は大きく、 SBPが同値であっても高齢者ほど脳卒中リスクは高い。
Stassen 氏は「SBPが加齢とともに上昇することからも、SBPは高齢者にとって最大の脳卒中リスクである」と述べるとともに、降圧療法による脳卒中抑制効果の重要性を紹介し、可能な限り早期からの降圧療法開始の必要性を強調した。
10mmHg のSBP 低下で脳卒中リスクが30%減少
降圧療法が脳卒中の発症・死亡リスクの低下に有効なことは、多くの大規模無作為化プラセボ対照臨床試験(RCT)で証明されている。60歳以上の高齢収縮期高血圧患者を対象に、降圧療法による脳卒中の一次予防効果を検討したRCTのメタ解析では、降圧療法が脳卒中の発症・死亡リスクを30%低下させることが明らかになった(2p<0.0001)。
Stassen 氏は、これらの試験における降圧療法群と非治療群の平均SBP差がわずか10mmHgであったことに触れ、「さらに厳格なSBP低下治療を行えば、より大きな脳卒中予防効果が期待できる」と説明。また80歳以上の超高齢者を対象にした臨床試験においても、降圧療法による脳卒中の発症・死亡リスクの有意な低下が示されていることを紹介し、「このような超高齢者においても降圧療法は脳卒中予防に有用であると考えられる」と指摘した。
診断後の迅速な降圧療法開始が重要
60歳以上の収縮期高血圧患者を対象に、Ca拮抗薬を中心とする降圧療法群とプラセボ群とを比較したSys-Eurでは、平均追跡期間2年間の本試験において、降圧療法群で42%の脳卒中発症・死亡リスク低下が示された。興味深いことに、その後すべての患者に対し実薬を用いる降圧療法に切り替えて平均5年間の追跡を行った結果、試験開始時より実薬による降圧療法を行っていた群で、相対的に30%のリスク低下が認められており、SBPの高い高齢患者に対する早期の降圧介入の重要性が示唆される貴重な知見となっている。
また脳卒中の二次予防に関するRCTのメタ解析においては、降圧療法群では非治療群に比べ24%のリスク低下が示されている(p = 0.005)。
さらにStassen 氏は、新しいタイプの降圧薬と従来薬(利尿薬、β遮断薬)を比較した無作為化臨床試験のメタ解析結果を示し、Ca拮抗薬が従来薬に比べ12%の脳卒中発症・死亡リスクの低下(2p<0.001)を示したことを紹介。
最後に、Stassen 氏は「脳卒中の抑制には、特にSBP の降圧が非常に重要であり、治療は高血圧診断後早期に開始すべきである」ことを強調した。



