Poster Session
Long-term Treatment with Nifedipine CR Stably Improved Arterial Stiffness and Progressively Decreased Elastic Property of Cervical Artery in Hypertensive Patients
長期間ニフェジピン製剤は降圧に依存せず高血圧患者の動脈硬化を改善する
- 宮崎大学医学部内科学講座循環体液制御分野
- 北 俊弘 氏
Ca拮抗薬は頸動脈および冠動脈において抗動脈硬化作用を有することが報告されている。北氏らは、本態性高血圧症患者を対象に、非侵襲的な動脈硬化マーカーに関するCa拮抗薬の全身的な効果の評価を試み、長時間作用型ニフェジピン製剤による単独療法が、動脈硬化を安定的に改善し、その効果は特に大動脈で顕著に確認されたことを報告した。
血圧および代表的な動脈硬化マーカーを測定
対象は、未治療の高血圧症患者。腎不全、心不全、閉塞性動脈硬化症の症例および心血管イベントの既往例は除外した。治療にはニフェジピンCR錠(20〜60mg/日)を用いた。3カ月ごとに、血圧のモニターとともに動脈硬化マーカーの評価を行い、併せて採血、採尿を実施した。
動脈硬化マーカーとしては、脈波伝搬速度(PWV)、Augmentation Index(AI: 脈波伝播指標)、頸動脈内膜-中膜肥厚(IMT)、頸動脈弾性特性(Ep)、加速度脈波(SDPTG)を測定した。PWVおよびAIは動脈硬化の代表的なマーカーとして、現在、有用な指標とみなされている。IMTおよびEpは頸動脈超音波検査法により評価した。Epの上昇は動脈硬化の進展を意味する。SDPTGは指尖容積脈波の2次微分波形で、簡便な動脈硬化に対する薬剤の効果判定法である。
ニフェジピンCR錠の抗動脈硬化作用が明らかに
登録された17例の患者背景は、男性11例、女性6例、平均年齢55.1歳。ニフェジピンCR錠の最終投与量は20mg/日が2例、40mg/日が10例、60mg/日が4例であった。
治療3カ月後には、収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)とも有意に低下し、12カ月後も効果は持続していた。心拍数(HR)は治療期間中安定していた。動脈硬化マーカーについて、PWV、AIは治療3カ月後には有意に改善し、12カ月後も良好な状態が続いた。Epも同様に3カ月以降は有意に改善したが、他の因子に比べ顕著な改善がみられた。IMTは治療12カ月後に、SDPTGの因子は6〜12カ月後に有意な改善が得られた。また、ホルモン因子については、プロゲステロン受容体(PRA)およびノルアドレナリンは増加したものの、他の因子は不変であった。
次に平均血圧(MBP)、脈拍および上記動脈硬化マーカーとの相関関係について検討した。その結果、MBPとAI、IMT、Eqとの間には有意な相関が認められず、今回の結果は、降圧とは独立した効果であることが示唆された。
以上のことから、ニフェジピンCR錠による長期療法は、心拍数の変動なく、安定的な降圧作用を示し、加えて個々の動脈硬化パラメータを有意に改善することが確認された。北氏は「ニフェジピンCR錠は明らかに抗動脈硬化作用を有するが、特に、頸動脈などの大動脈において、その効果は顕著に期待できるであろう」と結論した。



