APSH Presidential Lecture
Carotid Intima-Media Thickness and Antihypertensive Treatment: A Meta-analysis of Randomized Controlled Trials
無作為化比較試験のメタ解析で降圧療法の頸動脈内中膜肥厚進展抑制効果を検討
- University of Leuven, Leuven, Belgium & Ruijin Hospital, Shanghai Institute of Hypertension, Shanghai, China
- Ji-Guan Wang 氏
高血圧による頸動脈の内膜中膜複合体肥厚度(IMT)は、脳・心血管イベントの前段階となるリスクファクターと考えられている。今回、Wang氏らは、メタ解析により、高血圧の薬物療法が頸動脈IMTの進展抑制にどのように影響するかを検討。その結果、Ca拮抗薬が利尿薬、β遮断薬、ACE阻害薬など他の降圧薬より強力な頸動脈IMTの進展抑制作用を示すことを明らかにした。
降圧薬治療で頸動脈IMTの進展が年間7μm抑制
Wang氏らはPubMedのデータベースから、2005年8月までに発表された降圧薬に関する無作為化比較試験の文献を検索し、頸動脈IMTの測定結果があり、追跡期間が6カ月間以上であるなどの条件を満たした22試験について、メタ解析を行った。
その結果、まず、ACE阻害薬、β遮断薬、Ca拮抗薬などの降圧薬治療群と非治療群(またはプラセボ群)を比較した8試験(3,329例)の解析では、降圧薬群は非治療/プラセボ群に比べ頸動脈IMTの進展を7μm/年抑制することが明らかになった(p = 0.01)。
Ca拮抗薬が利尿薬、β遮断薬、ACE阻害薬よりも大きな進展抑制効果示す
次に、新しいタイプの降圧薬(ACE阻害薬、Ca拮抗薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、α遮断薬)群と従来薬(利尿薬、β遮断薬)群を比較した9試験(4,564例)の解析では、従来薬に比べ新しいタイプの降圧薬が頸動脈IMT進展を3μm/年抑制する(p = 0.03)ことが示されるとともに、 Ca拮抗薬では従来薬に比べ5μm/年のIMT進展抑制(p = 0.007)が得られることが明らかになった。
さらに、Ca拮抗薬群とACE阻害薬群を比較した5試験(287例)の解析では、両薬の降圧効果は同等だったが、頸動脈IMTの進展は、Ca拮抗薬群においてACE阻害薬群より23μm/年抑制されることが示された(p = 0.02)。降圧薬治療による頸動脈IMTの変化は、動脈内径の変化と相関(p = 0.02)していたが、到達血圧との相関はみられなかった。
以上の結果からWang氏は、Ca拮抗薬は、非治療、または利尿薬/β遮断薬、ACE阻害薬に比べ、IMTの進展を強く抑制するとともに、頸動脈IMTの進展抑制には、 ACE阻害薬よりCa拮抗薬が有効であったと結論づけた。ただし、今回の知見が、頸動脈の構造変化あるいは血管拡張機能の改善によるものであるか、また、脳卒中などの脳・心血管イベントの長期予防つながるかどうかの実証は、今後の研究に委ねられるとしている。



