Poster Session

Nifedipine Attenuates Cardiovascular Remodeling through Decreasing Oxidative Stress in Diabetic Rats Exposed to Intermittent Hypoxia

ニフェジピンは糖尿病ラットにおいて低酸素による酸化ストレスを抑制し、脳・心血管系を保護

大阪薬科大学生命薬科学部門病態分子薬理学教室
山下知佳

メタボリック・シンドロームの患者には、睡眠時無呼吸を有するものが多いことが知られており、糖尿病患者においては、睡眠時無呼吸により生じる間欠的な低酸素血症が、脳・心血管イベントの発症増加につながることが報告されている。一方、Ca拮抗薬のニフェジピンには、心不全の新規発症抑制作用や脳・心血管病でみられる血管内皮機能障害の改善作用があることが認められている。今回、山下氏らは、2型糖尿病モデルラットでの検討により、ニフェジピンが、間欠性の低酸素状態により生じる酸化ストレスを抑制し、脳・心血管系の保護に働くことを明らかにした。

左室心筋の過酸化産物発現と心筋構造の変性を抑制

同研究では、雄の2型糖尿病モデルOLETFラットを、@正常酸素濃度で飼育する群、A1日8時間だけ飼育箱の酸素濃度を10.0±0.5%に下げた間欠的低酸素環境下で飼育する群、Bニフェジピン(10mg/kg/日)投与を行いながら間欠的低酸素環境下で飼育する群に分け、それぞれ3週間飼育した後の脳・心血管系への影響を検討した。OLETFラットは、遺伝的に内臓脂肪の蓄積を来し、糖尿病、高血圧、高トリグリセリド血症を合併しやすいラットである。

その結果、間欠性低酸素飼育群の左室心筋では、正常酸素濃度飼育群に比べ、脂肪酸の過酸化産物である4-HNE(4-hydroxy-2-nonenal protein)の発現増大が認められ、左室心筋細胞の錯綜配列および肥大が生じていたが、ニフェジピン投与群では間欠性低酸素曝露による 4-HNEの発現増大に抑制傾向がみられ、左室心筋構造も保持されていた。

スーパーオキサイドの有意な抑制と血管内皮機能の改善傾向示す

さらにニフェジピン投与群では、非投与の間欠性低酸素飼育群に比べ、下行大動脈におけるNADPH依存性のスーパーオキサイド(活性酸素)産生が有意に(p<0.05)抑制されており、また頸動脈におけるアセチルコリン誘発性の血管拡張反応(血管内皮機能)にも改善傾向が認められた。

以上より山下氏は「ニフェジピンは、間欠性低酸素状態に曝露された2型糖尿病モデルラットの酸化ストレスを抑制し、脳・心血管系を保護する作用を有する」と述べるとともに、「今回の結果により、ニフェジピンが睡眠時無呼吸を有する糖尿病患者の治療に有用である可能性が示唆された」と結論づけた。