Luncheon Seminar

Reinforcing the Role of Calcium Channel Blockers in the Management of Hypertension and Cardiovascular Disease

Blood Pressure Control and Prevention of Cardiovascular Events

心血管保護効果をもたらす降圧作用の優れたCa拮抗薬が治療の軸に

Direttore Clinica Medica e Dipartimento di Medicina Clinica, Universita Milano -Bicocca, Italy
Giuseppe Mancia

高血圧治療の目的は心血管イベントの合併を抑制することにあるが、使用可能な降圧薬が増加する中で、最近は降圧作用から独立した心血管保護効果を求める動きもみられる。本学会のランチョンセミナー「高血圧と心血管疾患の管理におけるCa拮抗薬の役割」で基調講演を行ったMancia氏は、既報の大規模臨床試験の成績を総括、降圧薬治療の心血管保護効果は基本的に降圧そのものに依拠することを示し、各種降圧薬の中で特に降圧作用に秀でたCa拮抗薬を高血圧治療の主軸にすべきだと述べた。

心血管イベント抑制効果は降圧度に依存

降圧薬治療の有用性は多くの大規模臨床試験によって証明されているが、Mancia氏はそれらのデータを統合したメタ解析の成績を示した。それによると、10-12/5-6mmHgの血圧低下に伴い脳卒中は35-40%、冠動脈疾患は20-25%、うっ血性心不全は45-55%、心血管死は20-25%、心血管疾患は20-30%それぞれ減少することが期待できる。

降圧薬の種類別にみた心血管イベント減少率は、利尿薬・β遮断薬(単独または併用)で16%、β遮断薬単独で21%、Ca拮抗薬で28%、ACE阻害薬で24%であった(いずれもプラセボと比較)。アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)については従来薬との比較しか行われていないが、2/1mmHgの血圧差に応じて10%の減少率が得られている。

降圧薬によってイベント抑制効果に差が認められたが、それが降圧度に依存することも明らかになった。すなわち、脳卒中、主要な心血管疾患、心血管死、全死亡のいずれをとっても、降圧度が大きいほどリスク減少度も大であった。降圧度とともに治療中の血圧の絶対値も心血管イベント・リスクに強く影響する。虚血性心疾患、脳出血、末期腎不全などのリスクはすべて、治療中の収縮期血圧が低いほど減少することが報告されている。

世界の主要な高血圧治療ガイドラインが一般的な降圧治療の目標値を140/90mmHg未満、糖尿病、腎疾患合併例を含むハイリスク患者の目標値を130/80mmHg未満に設定したのは、上記の成績を踏まえてのことである。

長時間作用型ニフェジピン製剤は降圧を超えた効果が期待できる

ガイドラインの勧告する厳格な降圧を実践するためには、降圧効果の優れた薬剤を選択する必要があるが、Mancia氏はその観点から長時間作用型Ca拮抗薬の有用性を強調した。なぜなら、多くの大規模臨床試験でも、厳格な降圧の達成のためには、併用メタ解析のデータが示すように、降圧度に応じて心血管イベントが減少し、かつ降圧作用の強いCa拮抗薬で心血管イベント抑制効果が最大であったからである。

Mancia氏は以上に加え、Ca拮抗薬の中には長時間作用型ニフェジピン製剤のように血管内皮機能改善作用、頸動脈肥厚抑制作用、冠動脈石灰化抑制作用を示すものがあることを指摘、このタイプのCa拮抗薬には優れた降圧作用とともに直接的な心血管保護作用も期待できるとの見解を示した。