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Preventing Ischemic Heart Disease: Modern approaches & Hypertension guidelines
JSH 2004 Guidelines for Prevention and Management of Heart Disease
心疾患予防・治療における血圧管理の重要性を強調
−高血圧治療ガイドラインJSH2004の要点示す−
- 久留米大学医学部内科学講座心臓・血管内科
- 今泉 勉 氏
日本における心疾患死亡率は過去30年間、持続的に上昇しており、最近は脳卒中のそれにほぼ並ぶ勢いを示している。この変化は心疾患の予防・治療対策の強化を促すものだが、今泉氏は2004年に日本高血圧学会が発表した高血圧治療ガイドライン2004(JSH2004)の概要を紹介し、厳格な血圧管理が脳卒中だけでなく虚血性心疾患、心不全の予防・治療においても重要であるとの見解を示した。
降圧目標値を下方修正し、降圧治療の強化めざす
一般に日本は米国に比べ虚血性心疾患の発症率が低く、逆に脳卒中の発症率が高いといわれる。しかし、最近の心疾患死亡率をみると脳卒中を追い抜く勢いを示しており、虚血性心疾患が増加しつつあることを強く示唆している。
その背景として、生活習慣の変化に伴う肥満の増加やコレステロールの上昇が挙げられるが、それらに劣らず重要なのが高血圧の影響である。高血圧は虚血性心疾患、心不全の主要な危険因子であり、降圧治療はこれら心疾患のリスクを減少させるが、最近の研究は、より厳格な降圧が心疾患予防においても重要であることを示している。
JSH2004はその点を踏まえ、降圧治療を強化するとともに、24時間にわたって血圧を管理することの必要性を強調した。JSH2004の定めた血圧分類は2000年に発表されたガイドライン(JSH2000)のそれを踏襲したが、これは欧州高血圧学会・欧州心臓病学会(ESH-ESC)などのガイドラインが示した分類と同じである。すなわち、至適血圧(120/80mmHg未満)、正常血圧(130/85mmHg未満)、正常高値血圧(130-139/85-89mmHg)、軽症高血圧(140-159/90-99mmHg)、中等症高血圧(160-179/100-109mmHg)重症高血圧(180/110mmHg以上)、収縮期高血圧(140mmHg以上/90mmHg未満)という7つのカテゴリーに分類した。
特に注目されるのは、正常血圧でも130/85mmHgから心血管合併症のリスクが上昇するという認識を明示したことであるが、それは降圧目標値にも反映されている。JSH2004は降圧目標値を、高齢者では140/90mmHg未満、若年・中年者では130/85mmHg未満、さらにハイリスクとされる糖尿病・腎疾患合併例では130/80mmHg未満と定めた。これらはJSH2000の勧告した目標値を下方修正したものである。
心疾患合併例においても降圧治療の重要性は不変
降圧治療としては最初に生活習慣の修正(減塩、減量、運動など)を行うが、それによって降圧目標を達成できないときは早期に主要な降圧薬による薬物治療を始める必要がある。さらに、高齢者の治療では、JSH2004は初期治療薬としてCa拮抗薬、レニン・アンジオテンシン系(RAS)抑制薬(アンジオテンシンII受容体拮抗薬またはACE阻害薬)、低用量利尿薬を推奨。一般的にはこの中の一つを単独で使用するが、降圧が不十分な場合は2薬を併用、次いで3薬を併用するという段階的アプローチが望ましいとした。
今泉氏はJSH2004の要点を以上のようにまとめた上で、心疾患を合併した高血圧の治療にも言及し、冠攣縮性狭心症には長時間作用型Ca拮抗薬が、器質的冠動脈疾患にはβ遮断薬が適し、心不全に対してはRAS阻害薬、β遮断薬、利尿薬が有効だが、いずれの場合も140/90mmHg未満の厳格な血圧管理が十分に行われる必要があり、その意味で降圧効果の優れた長時間作用型Ca拮抗薬が不可欠との認識を示した。



